展覧会を終えて

幕野まえり

今回、日本画ZERO第一部は、大体が日本画コース在籍していたため、今までの自分の土壌に真正面から向き合う形となりました。

作品に関しては、展示のあと、たくさんの方々からご指摘を頂いたり、とても有難い機会となりました。こればかりは、これからもやるしかないという言葉しか出ません。皆様にいただいた意見を無駄にすることのないようにも、これからも制作を続けていきます。見に来て下さった皆様、感想をつぶやいたりしてくれた皆様、サポートしてくださった皆様、有難うございました。

展示を終えての素直な感想を述べると、このように、会期中のことはもちろんですが、展示が始まるまでに感じた色々な事も思い出します。ここではそれを素直に書こうと思います。それが日本画ZEROが問いかける、日本画の持つ問題にも繋がる気がするので。

展示の準備段階でちょうど震災が重なり、それで明るみになったこの国の問題を知った事も大きかったのですが、企画段階で日本画を実践する方々と話し合う中で、今回色々感じる事がありました。

日本画を描く人はよく「画材の話」や「精神性」、の事をよくお話されます。「画材の話」は岩絵の具や和紙などの専用の画材で描く事を大切にするお話、「精神性」は文字通りの意味と、時間をかけて昔の技法で描くということを美徳とする趣旨のお話です。

今回は、日本画を改めていくという事で、「画材の話」や「精神性」、そして今までの日本画の何を変えていきたいのか、ということについて具体的に、日本画を実践する方々に具体的に問うこととなりました。そこではもちろん答えてくださる方もいましたが、今はわからない、や、質問した行為を咎められたり、時間をかけて考えられた意見が聞けなかったことで、日本画において今行っている方法や形式への根拠や動機の無さを感じました。

日本画って何なのか、日本画が主張している精神性って具体的に何なのか、何故いま、膠と岩絵の具と麻紙を使って描くのか。(私はお金が無かったのと、作品が傷みにくい事を考えて現在のキャンバスとアクリルに至りましたが)皆何か考えを持って、日本画を突き通してると思っていたし、それを知りたかったから話をしたかったのに、そこについての話があまりできませんでした。

今使える画材や表現について何も考え問うこともなく、ただ先人の真似をすることが正しいのか。伝統を「守る」のは職人の皆さんだとおもいます。芸術、美術というなら、先人の真似ばかりでなく、そこから時代性を感じるような方法や、今の時代に生きる人が、おもしろい・新鮮だと感じるコンセプトを試行錯誤するのが普通なのでは、と素直に疑問に思いました。

また、展示中や展示後は、展示メンバーの大学の先生や、ギャラリーから何の反応もなかったのも残念でした。この展示の「問いかけ」という部分では、いちばんに引っかかってくるはずの日本画の中にいる人が黙殺状態でした。たくさんの雑誌にも取り上げていただき、必ず知っている業界の方々がそういった反応です。

日本画自体を知らない方、学生の方、中野にいらした皆さん、美術関係の方は皆さんツイッターやブログで、素直に真剣に、感想を言ってくれました。厳しい意見も有難かった。でも、日本画内部の方々からは本当に何も無く終わりました。これが答えなのかと思いました。

話は変わりますが、アニメの一休さんで、どちて坊やっていうキャラクターが出ています。「どちて雨が降るの?」「どちて頭をぽくぽくするの?」「どちておまじないなの?」って質問しまくるキャラクターなのですが、私はどちてぼうやが大好きです。素直に疑問に思うことが純粋で、大事だなと思うからです。

そうやって自分に問いかけると、何で今これをやるのか、とかそういう事にちゃんと理由ができて、色んな考えやコンセプトをたてたり、もっといろんなものが見えてくると思うからです。自分はそうやって、過去のものはもちろん、今生きてる時代でしかわからないことを感じて、問いかけてみて、作品を作っていけたらなと思っています。

それから感想については、漫画的な絵画として、また、BL目線でとってもマニアックな意見を頂いたり、色々反応が嬉しかったです。自分はその当事者としては、これは漫画的な絵画だ!というよりも、何が一番自分が自然にいて興味がもてるかという所が最大の動機です。漫画っぽい絵のほうがリアリティがあって、感情移入しやすいという理由がひとつ、あると思います。だから、西洋絵画の印象派の画家達にもそれぞれストーリーや世界観があるように、私たちの絵にも、それぞれにアーティストがもつリアリティが反映されたストーリーや世界観があります。それを見つけるように見て頂ければ良いなと思っています。

末筆となりましたが、今回、展示を見てくださった皆様、ツイッターやブログで考えてくれた皆様、このような展示の機会を下さった村上隆様、展示をサポートしてくださった皆様に改めまして心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。これからも、制作を続けてまいります。

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