展覧会を終えて

新保裕希

5月3日、大雨に見舞われながらも無事に関東圏の展示が終わりました。会場へ来て下さった方々には感謝致します。頂いた厳しく貴重なご意見も忘れません。誠に有り難う御座いました。展覧会を終えて、感想を書かせて頂きました。周囲に対しての感想と、私自身の問題についてです。読んで下されば光栄です。

● 周囲に関して
この度、村上隆さんや多くの方々のお陰で、「日本画ZERO展/日本画を考える展覧会【関東圏】」が、終了致しました。村上さんの衝撃的なステイトメントをはじめ、私たち作家も、下手な文章をサイトに掲載させて頂きました。ひどい内容ですが、自分の素直な考えを述べたつもりです。しかしやはり、肝心の日本画を学んでいる方々には読んで頂けなかったのでしょうか。

展覧会に来て下さった知人の中には、芸大日本画の先輩や同級生もいました。感想を数人から頂きましたが、その多くが「面白い作品だったよ!頑張ってね」「中野ブロードウェイってすごい所だね」「大変だろうけど、次回も楽しみにしています」このような内容ばかりです。今まで過去に行ってきた展示の、いつも通りの、感想を頂きました。

先輩や同級生を責めているわけではありません。一番同感してほしい方々に気付いてもらえなかった、今までと同じような感想しか思い浮かばせる事しか出来なかった、その程度の作品しか描けなかった自分に腹が立ちました。それでも、この展示が「村上隆キュレーションによる、日本画を考える展覧会」だという事は皆知っているはず。ステイトメントを読んでいなくても、会場にはpopもあった。深刻な展覧会になるはずでした。

「同じ大学出身で、日本画を今も描いている仲間」達は、ほとんどといっていいほど、核心部分には触れてはくれませんでした。まさに、「我関せず」状態です。「まわりを巻き込むな」という空気さえ感じられるようです。違和感のあるこの世界観。望んでいない人に意見を求めるつもりではないのですが学生や卒業生が皆このような反応だとしたら、大学の先生方も沈黙を守るに違いないと思います。

武蔵美の大学院生の女の子が、「この展覧会が続くとして、叶う事なら、是非参加をしたい」というような事を仰ってくれました。本当にこのままではいけないと思っているのなら、少しでもこの市場を変えたいと思っているのなら、彼女のような参加者を募りたい。この展覧会がどこまで続くか分からないけれど、若い世代の大きな波を作るきっかけになりたいと思いました。

● 自分自身の作品に関して
私自身、作家としてのアイデンティティが欠落しています。それが一番の悩みであり、早急に考えなくてはならない点です。

昔から、「親や友達の為に」絵を描いてきた私は、絵を見てくれる対象が決まっていなければ内容も決まりませんでした。大学に入ってからもそれは変わらず、講評をしてくれる先生の好みを考えて制作をしていたのも事実です。作品を依頼してくれる方とお話をし、部屋の内装、性格や服装から好みを推測し、その度に作風を変えました。

村上隆さんからも、「新保さんの作品はころころ変わってました。今回も変わってます。一体何をしたいのか?」という問いかけを頂きました。本当に私は自尊感情というものが欠けています。それになりより、その程度のレベルで「日本画を考える」なんてよく言えたものだと思います。

今まで、人の生活の小さな幸せの一部になれたらと思って制作して来ました。私の描く作品が小作品ばかりなのもそのような理由からです。

でも作品を作る作家自身にアイデンティティがなければ、魅力のある絵を描けるはずがありません。もちろん、売れる事もないでしょう。社会情勢はもちろんのこと、自分自身の性格、長所、短所、内面をふまえ、改善し、自己を確立した作品を生み出したいと思います。

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